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今回ご紹介するのは、写真家さんです。
日常に潜むきらきらと輝くような一瞬を撮影し続けている、写真家「梅佳代」さん。
彼女の写真集のタイトルは「うめめ」や「白い犬」、「じいちゃんさま」などユニークなものばかりが目にとまります。
そんな素敵な一瞬を切り取り、国内外での写真展の開催や、著名人から撮影のラブコールが絶えない梅佳代さんは、一体どんな人物なのか?
ということで、この記事では写真家の梅佳代さんにフォーカスして、活躍や人となりをご紹介していきます。
今回は、
- 写真家 梅佳代さんとは?
- 経歴について
- 梅佳代さんを形作るもの
ぜひご覧ください。
「梅佳代」とは?
梅佳代さん 引用asahi.com
石川県能登町出身の写真家、梅佳代さん。
彼女は、起きている間、ずっとカメラを肌身離さず持ち続けているそうです。
作風は、何気ない日常の中にある、思わず噴き出してしまうような風景を写真に収めたもの。
ユーモア溢れるあたたかい写真で、見る人々の心を掴みます。
“心を揺さぶるような感動”や“奇をてらった派手さ”の写真ではありませんが、彼女の独特な視点で捉えたその一瞬は、まるで日常に潜む「奇跡」のようです。
梅さんの写真は、幅広い年齢層から支持されています。
タレントの「佐藤健」さんやアーティストの「星野源」さん、「嵐」さんなど、数々の著名人の雑誌の撮影や写真集のカメラマンを担当することも。
またパリ、ロンドン、タイでも展覧会を開催するなど、世界からも注目を集めています。
梅佳代さんの経歴
梅佳代さんは1981年、石川県鳳至郡柳田村(現在の鳳珠郡能登町)で生まれました。石川県立宇出津高等学校(現石川県立能都北辰高等学校)卒業後、大阪にある日本写真映像専門学校に入学。
在学中に公募コンテスト「キヤノン写真新世紀」で佳作を2回受賞しています。
2002年に卒業後は東京に拠点を移し、アルバイトをしながら写真家の活動を続けます。
2007年、初の写真集「うめめ」がベストセラーとなると同時に、写真界の芥川賞と言われる木村伊兵衛賞を受賞しました。
主な作品は、男子小学生たちを生き生きと写しとった「男子」(写真集は2007年刊)や、実家の祖父と飼い犬をそれぞれモデルにした「じいちゃんさま」(08年)、「白い犬」(16年)など。
2017年には、東日本大震災で被災し、栃木県から東京都内の仮校舎に移った男子校の生徒たちの写真集『ナスカイ』を、同校の廃校を機に刊行しています。
キャンパスノートを模した表紙デザイン 写真集「ナスカイ(亜紀書房)」 引用akishobo.com
梅佳代さんを形作るもの
ここからは、写真家 梅佳代さんを形作る要素について掘り下げていきたいと思います。
梅佳代さんがカメラマンを目指した理由
「umep」より 引用photo.yodobashi.com梅佳代さんは、中学生のころ近所に自動販売機がないことに不満を抱いたことがきっかけで、村を出て都会で暮らしたいと思ったそう。
高校で進路を決定する際には、野球のイチロー選手のファンだったことから「カメラマンになれば、イチローと出会って結婚できるかも」と思い、大阪の写真専門学校へ進んだというユニークなエピソードもあります。
将来の夢がなかったという梅さんは“やりたいことは何だろう?”と考えた時、“カメラマンならイチロー選手や爆笑問題、真心ブラザーズに会える職業”と感じたそうです。
「好きな選手に会えるかもしれない」という理由で進路まで決めてしまう熱意が素晴らしいですよね。
また梅さんは、カメラの魅力についてこう答えています。
「なんか写ること。今も一緒ですけど撮ったら写るってことと、ほめられることも重要。ほめられない場合はやってないですね。友達にほめられるように頑張ってた。(中日新聞Web)」
カメラマンとして生計を立てるまでになるには技術が必要です。
梅さんの場合は勉強で技術を磨いただけでなく「友達にほめられたい」という気持ちが強く、自然と上達していったのかもしれません。
梅佳代さんは写真学校で購入して以来、ずっとフィルムカメラの「キヤノンEOS5」を使用していました。現在は、中古カメラ店で購入した2代目を使用しているそうです。
カメラマンさんと聞くと、高級な機材を使うイメージがありますが、梅佳代さんはフィルムカメラで撮る日常の普遍的な写真を大事にしているのでしょう。
「Canon EOS5」 引用global.canon転機となった作品「うめめ」
2006年発行 写真集「うめめ(リトルモア)」 引用amazon.co.jp
梅佳代さんは、学校を卒業する直前、たまたま「美術手帖」の人に写真を見せる機会に恵まれたことで、写真家特集の号に出ることに。
その写真は、編集者の方の目に留まり、雑誌の仕事へとつながります。
そしてまた、その現場にいたライターさんは別の出版社の編集者の方を紹介してくれたそうです。
人から人へ仕事がつながっていき、数年後には本を出版することになります。
それが梅佳代さんの転機となった作品、写真集「うめめ」です。
中日新聞のインタビューの中で、梅さんは「『イエーイ』みたいな軽いノリで。26歳だから、イエーイですよね普通に。家に帰って、お父さんに『実るほど 頭(こうべ)を垂れる 稲穂かな』という言葉を発表されました。実践してます、一応。いつも心の片隅に。(中日新聞Web)」と言っています。
インタビューなどで垣間見える楽天的な姿が、人を惹きつける彼女の魅力なのかもしれませんね。
「男子」は原点であり永遠のテーマ
写真集「男子(リトルモア)」より 引用tokyoartbeat.com梅佳代さんの第2弾となる写真集のタイトルは「男子」。
「写真専門学校時代に近所で出会った小学生男子たちを捉えた写真には、彼女の圧倒的パワーと溢れんばかりの魅力が凝縮されています。(リトルモアブックス )」
梅さんならではの視点で小学生の男の子を撮った写真集は、ユーモア溢れる写真の数々が並んでいて、眺めているだけで元気がもらえそう。
ふざけた表情をしていたり、変な格好をしていたり。
「男の子って確かにちょっとこんなバカやっていたなあ。」と、誰もが懐かしい気持ちになれるのではないでしょうか。
彼らと友達になって同じ目線で撮影したという、写真から楽しい雰囲気が伝わってくるような、あたたかい空気に包まれる写真集。
被写体になった男子たちが大人になってこの写真集を見返したとき、どんな感想を抱くのでしょうか。
梅さんは“男子たち”のことを「自由で、明るくて、ばかで、無敵。少年というと、ちょっとニュアンスが違う(サカエ経済新聞)」と親心を込めて語っています。
写真集「男子(リトルモア)」より 引用toyokeizai.net
地元で撮影した写真集や個展開催
(参考)能登の観光名所「九十九湾遊歩」 引用ikyu.com
2007年、梅佳代さんは地元石川県にある金沢 21 世紀美術館 デザインギャラリーにて「うめめ:ここは石川県の部屋 梅佳代 写真展」 を開催しました。
梅さんの出身は、石川県能登。
地元である会場には、梅さんのふるさとに住む家族や犬、身近な人々を撮った写真集の作品と、今回初挑戦となった映像作品が展示されました。
梅さんの祖父、94歳の勝二さんを被写体に撮影した、写真集「じいちゃんさま」。
庭の大きな容器にすっぽりと入って休憩する姿や、虫眼鏡を口に当てて茶目っ気たっぷりに微笑む姿など、日常生活のほっこりとする瞬間を切り取った写真が展示されています。
写真集「じいちゃんさま」より 引用livedoor.blogimg.jp
また、来場者が勝二さんのパネルと一緒に写真撮影できるコーナーや、自宅での何気ないシーンをビデオ撮影したムービーコーナーも。
ご自宅に遊びに来たような親近感が感じられる遊び心のある展示に、梅さんらしさが感じられます。
映像作品は、写真と同じ視点で東京タワーやハチ公、渋谷の繁華街などの、日常を撮影したビデオが編集なしでテレビ画面に映し出されています。
この映像は、梅さんが「都会にあこがれている石川の人のために、東京を紹介したい」と思い、撮影したんだとか。
デザインギャラリー展覧会のプレス記事の中で、梅さんは“ありふれた日常のちょっと「へん」な呼吸感、絶好のシャッターチャンスをつかむ感性は天才”と称されています。(金沢21世紀美術館「デザインギャラリー展覧会開催のお知らせ」より)
東京に出て「自称都会人」となった梅佳代さんが石川に凱旋した写真展は、石川愛がたっぷりあふれる内容だったようです。
「ほぼ日」の糸井重里との対談でのエピソード
引用1101.com
「ほぼ日手帳」を手掛ける糸井重里さんは、株式会社ほぼ日代表取締役社長であり、コピーライター、エッセイスト。
梅佳代さんとは10年以上の親交があり、雑誌のインタビューやラジオ番組で度々共演しています。
ラジオ番組『RADIO SWITCH』の中で糸井さんは、「日本海のほうの山間の村から来た純朴な少女なのに、カメラの向こう側にいる人に何かを思わせたり、何かさせたりしちゃうっていうのは、その、あやしい表情のせいだと思う。」
「でも、それでもやっぱり、梅佳代には、油断できない感がある。」と語っています。(ほぼ日刊イトイ新聞より)
早くから梅さんの存在に注目していた糸井さんは、梅さんのただならぬ存在感を感じているようですね。
梅佳代さんの写真は、いわゆる“写真映え”ではありませんが、日常から家族や好きなものを見つけて切り取った彼女の写真は、どこか人々の心に響くものがあります。
今後も梅佳代さんの活躍が、ますます楽しみです。
「umep(2010年)」より 引用photo.yodobashi.com
参考:
梅佳代さんの使用機材
ここまでご紹介したように、被写体の等身大の姿を魅力的に写真に収める梅佳代さん。
ここまででお話したように、使用カメラは、CANONのEOS 5を使用しているそうです。
EOS 5といえば、1992年に発売されたフィルムカメラ。
世界初の「視線入力オートフォーカス機構」を搭載したモデルでした。
いわゆるプロが使うような機材ではなく、一般的な家庭向けのモデルで、最初はご両親から梅佳代さんに贈られたものだそう。
そして、いまだにそのモデルを使い続けているようです。(現在は中古店で購入した2代目を使用。)
また、レンズも標準と広角の2本だけで撮影し、撮影モードはいつも「P(プログラムオート)」。
誰にでも出来そうな方法、機材で撮影しているのに梅佳代さんにしか撮れない世界観が表現されているのは、梅佳代さんの人柄やセンスあってのものといえます。
フィルムカメラにこだわり続ける梅佳代さんですが、一度企画でKiss Digital Xというデジタルカメラを使用した事もあります。
その際は、デジタルならではの「すぐにモニターで撮ったものを確認できる」事や「思ったよりきれい」な写りにそれなりに感心したようですが、やはり使い慣れたフィルムカメラの方が、色等の雰囲気、使い勝手等すべてが梅佳代さんのスタイルには合っているようでした。
梅佳代さん使用のEOS 5は、現在でも中古市場で取引が行われており、購入、売却する事が可能です。
お探しの方、売却をお考えの方はぜひ中古市場を調査してみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んで下さりありがとうございました。
今回は、日常にある一瞬の輝きを撮影する、写真家の梅佳代さんについてご紹介させていただきました。
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